●プーチン大統領が「部分的な動員」の大統領令署名
●岸田総理が国連総会で演説
●旭川刺殺事件　当日に近隣トラブルか
●知床事故で集中捜索　骨のようなもの発見
●札幌市電延伸「極めて困難」
●道内感染者２０４０人　全国６万９千人
●感染対策しない客“宿泊断り”可能に
●秋の全国交通安全運動　道庁赤れんが庁舎で決起大会
●日銀が金融政策決定会合
●「動く薬局」が道内初導入
●ロシア部分動員に国内で反発
●ＦＲＢが０．７５％の大幅利上げ決定

●きのうの大リーグ　エンゼルス大谷選手が６試合連続安打
　ヤンキース・ジャッジ選手が６０号本塁打　ルースに並ぶ
●きのうの大相撲秋場所結果　一山本５勝６敗　北青鵬８勝３敗
●きのうのプロ野球結果　巨人が３連勝
　阪神・糸井嘉男選手が引退セレモニー　ナインから７度胴上げ
●コンサドーレ　スパチョーク選手が川崎チャナティップ選手と対談
●レバンガ　新加入ラモス選手が会見「ＣＳ進出貢献」
●ファイターズ　ドラフトルーキー投手が９/２５札幌ドーム戦で初登板へ

【5時台】
M「渋谷で5時/鈴木雅之・菊池桃子」

【6時台】
M「やさしい気持ち/ CHARA 」

【7時台】
M「きみの友だち/キャロル・キング」

これまでのアナウンサー生活と防災士資格取得で培った知識を活かし
リスナーの皆さんと共有したい「北海道の生活情報」をお伝えしています。

今回は「　温帯低気圧に変わりました　」

台風14号は、日本海から新潟市付近に再上陸後、東北を横断。
その後、太平洋へ向けて温帯低気圧に変わった。

よく使われるのが「台風が温帯低気圧に変わりました」・・
一般的には、台風が弱ってきた・・被害が少なくて済みそう・・と思われがちですが、
実はそうとは言い切れません。
それは、台風と温帯低気圧は、強い弱い、ではなく、
根本的な構造の違いによって、その定義がなされているものだからです。

気象庁の解説では・・
台風と温帯低気圧は違う性質を持っています。
台風は、水蒸気が凝結して雲になるときに出す熱を原動力として、
熱帯や亜熱帯の海上で発達します。
したがって、台風は水蒸気を多く含んだ暖かい空気からできていることが特徴です。
一方、温帯低気圧は、（北半球では）北側の寒気と南側の暖気との境となる中緯度で発達し、
前線を伴っています。
つまり、南北の温度差があることが大きな特徴です。
台風は北へ進むにつれて、周辺の空気との間に温度差を生じます。
すると、台風域内の暖かい空気が冷たい空気と混ざりはじめると同時に前線ができはじめ、
台風としての性質が徐々に失われ、温帯低気圧の性質が強くなってゆき、
ついには温帯低気圧に変わってしまいます。

多くの台風は温帯低気圧になりながら弱まっていきますが、
中には2004年の台風18号のように、温帯低気圧に変わりながら再び発達する低気圧もあります。
この台風は長崎に上陸した後、日本海を北東に進みながら弱まって暴風域が狭くなりましたが、
北海道の西の海上で温帯低気圧に性質を変えながら再び発達し、
中心から離れた帯広や釧路地方でも強風が吹きました。
台風では風が強い領域は中心付近に集中しているのに対し、
温帯低気圧では広い範囲で強風が吹くのが特徴です。

では、その2004年の台風18号から変わった温帯低気圧。
どんな変化をしていったのか・・
台風が強い勢力のまま九州に上陸、衛星画像では台風の特徴である渦巻きを示す。
広い範囲で暴風。
その後、台風が温帯低気圧に変わり北海道に接近、衛星画像では渦巻きの形がなくなる。
一旦狭くなった暴風域が再び広がり、九州上陸時に匹敵する広さに。
北海道で最大瞬間風速で50m/s以上の猛烈な風を観測。
風による倒木、転倒・転落などにより死傷者が発生する事態となりました。

この時のことをまとめたを道庁危機対策課によりますと・・
道内では広範囲で西から南西の暴風が吹き荒れ、最大瞬間風速は札幌で50.2m/s(SW)、
雄武で51.5m/s(SW)、羽幌で46.9m/s(SSW)、室蘭で45.7m/s(SSW)、小樽44.2m/s(WSW)、
函館41.5m/s(SSW)、紋別40.0m/s(SW)など。
札幌など観測史上1位の記録を更新したり、
室蘭など1954年の洞爺丸台風以来という記録的な暴風を記録した所も多かった。
この台風により道内では、９名が亡くなり、473名が負傷した。
住家には全壊30棟、半壊415棟、一部損壊11241棟、床上浸水88棟、
床下浸水42棟の被害があったということです。
漁船を含む船舶被害644件など水産業被害が24億775万円、
林業被害が31億7523万円、農業被害が241億1683万円におよんだ。
雨は全般に少なく、北海道を通過している際は晴れ間が出たところも多かった。

このため、暴風の中を外出する住民も多く、
街路樹の倒壊や飛来物の衝突などで命を落としたり、
けがをする人が多く出ることとなった。
札幌市内では街路樹が暴風によって倒れる被害が続出し、
北大構内のポプラ並木も多くが倒れた。
このほか、札幌市内などトラックなど箱型の車両が突風により
横転する被害も多く発生した。
なお、オホーツク海側では木が根こそぎ倒れたり、
途中から折れる被害が続出したほか、
国道や道道では道路わきのポールに付属する矢羽根が多数吹き飛んだ。

近年、北海道にも、台風として上陸する例も、
多く見られるようになっています。
ただ、ほとんどは、東北近辺に至るまでに温帯低気圧へと変化します。
台風（熱帯低気圧）は中心付近ほど風が強い。
一方で・・温帯低気圧（発達した場合）は風の強い領域が広く、
中心から離れた場所でも風が強い。

以前は、台風が温帯低気圧に変わると気象庁は「台風情報」の発表を終了していました。
しかし、温帯低気圧に変わりながら再び発達し、
広い範囲で台風に匹敵する暴風・強風を伴って被害をもたらすため、
引き続き警戒が必要な場合があります。
このため今、台風から温帯低気圧に変わっても、
暴風を伴って災害を及ぼすおそれがある場合には、
温帯低気圧を台風情報として発表を継続し、台風並みの警戒を呼びかけることになっています。
「台風」に警戒することはもちろん、「温帯低気圧」にも「正しく恐れて」ください！